ロックバンド?プロジェクト?「DEEN」
「DEEN」とは、日本のロックバンドのことです。
工具ではないし、アニメも描いていません。
インターネットで調べると「ロックバンド」と出てきますが、メンバーたちはよく「DEENはプロジェクト」と言っています。
その理由は、「DEEN」が結成された経緯が関係しています。
「試しでいいから一回歌ってみて」
そう言われて、北海道にいた池森さんが「このまま君だけを奪い去りたい」を歌い上げたところ、ボーカルとしてこの曲を歌うことになりました。
ボーカルは決まったものの、ソロではなくバンドにしたいという事務所の考えがあったため、キーボードとして山根さんが加わり、「DEEN」が誕生しました。
つまり、「DEEN」とは「このまま君だけを奪い去りたい」をリリースするために作られた、バンドという形の「プロジェクト」ということ。
故に、「DEEN」は「バンド」でありながら、アイドルのようにメンバーが集まってできた「プロジェクト」という側面もあるのです。
そうしてデビュー曲がいきなりミリオンヒットを記録したものの、集められたメンバーは互いのことを深く知らないし、メンバーの音楽性も全く違いました。だから、デビューして数年は「DEEN」がどんな像なのかを掴めないまま活動していたそうです。
普通なら解散してもおかしくないのですが、メンバーはそれぞれの音楽性を尊重し、「DEENとは何か?」を追い求め続けた結果、活動休止を挟まず、2023年でデビュー30周年を迎えるまで長く活動をしてきました。
「DEEN」という名前は「音の響きから取った」と言われています。
確かに同じような名前のバンドは他にもありましたね。
(「ZYYG」しかり「BAAD」しかり)
また、「男性の包容力=優しさをイメージしたバンドを作りたい」というプロデューサーの意向からできたバンドでもあるようです。
まさに優しさの塊!
細かいところまで書くことは難しいですが、「DEEN」はこんなバンドです。
DEEN’s History
1993年3月10日にデビューして30周年を迎えようとしているDEENですが、その長い歴史には色々な時代があります。
そこで、DEENの歴史を大まかに5つの時代に分けて紹介します。
(管理人の独断と偏見ですのであしからず。)
- 草創期・・・・・ (’93年~’94年)
- 発達期・・・・・ (’95年~’99年)
- 転換期・・・・・ (’00年~’07年)
- 安定期・・・・・ (’08年~’18年)
- 新生DEEN期・・・(’18年~)
草創期(’93年~’94年)
デビュー作がいきなりミリオンヒット。
翌年もシングルとアルバムでミリオンヒットを達成し、オリコン史上初の1stシングルと1stアルバム両方でミリオンヒットを達成したアーティストになった。
デビューからヒット曲を連発しまくったロケットスタートなDEEN草創期。
<主なリリース>
- 1st Sg「このまま君だけを奪い去りたい」
- NTTドコモ「ポケットベル」CMソング
- ミリオンヒット
- 2nd Sg「翼を広げて」
- 日本テレビ系「Jリーグ中継」テーマソング
- 50万枚超
- 5th Sg「瞳そらさないで」
- 大塚製薬「ポカリスエット」CMソング
- ミリオンヒット
- 1st Al「DEEN」
- ミリオンヒット
<楽曲の特徴>
- 基本的に楽曲は提供されている。
- 楽曲提供者は、織田哲郎さんや坂井泉水さん、上杉昇さんなどビーイングの誇る豪華メンバー。
- カップリングやアルバムに池森さんと山根さんが作詞や作曲の楽曲がいくつかある。
- いわゆる打ち込みサウンドが多い。(ライブで聴くとドラム音などの雰囲気が違う)
- シングル曲は爽やかな曲が多いが、カップリング曲は暗い失恋ソングが多く、ギャップがある。
<ライブ>
’94年に学園祭で初ライブを開催している。
しかし、そもそも基本的にメディアの出演など露出すること自体少なく、MVやCDジャケットでメンバーを認識できる程度だった。
<メンバー>
- 池森秀一(Vo.)
- 山根公路(Key.)
- 仲居辰磨(Gt.)
- 倉澤圭介(Dr.)
- ’94年に5th Sg「瞳そらさないで」からGt. 田川伸治(⇔仲居さん)
- 1stアルバム「DEEN」からDr. 宇津本直紀(⇔倉澤さん)
- いずれもCDジャケットで入れ替わりを確認できるが、正式な発表はなかった?
発達期(’95年~’99年)
メンバー制作によるシングル曲も増え始める。
新たな提供者からの楽曲もありつつ、アニメやゲームのテーマソングが増えた。
初のTV出演や初のライブツアー開催など、表立った活動も増え、’99年には横浜アリーナでの公演を成功させるなど、「DEEN」として成長・発達していった時期。
<主なリリース>
- 7th Sg「未来のために」
- 日テレ系「劇空間プロ野球」テーマソング
- メンバー制作による初シングル。オリコン1位。
- 9th Sg「ひとりじゃない」
- テレビアニメ「ドラゴンボールGT」エンディングテーマ
- 12th Sg「君がいない夏」
- テレビアニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ
- 13th Sg「夢であるように」
- プレイステーションゲーム「テイルズ オブ デスティニー」主題歌
- 3rd Al「Singles+」
- DEEN初のベスト盤。オリコン1位。
<楽曲の特徴>
- メンバー制作による作品が増加。
- アニメやゲームのテーマソングが多く、キャッチーな曲が多い。
- 小松未歩さんの楽曲提供あたりからロックな路線を展開。
- その後、Classics シリーズが始まるなどでバラード系の作品も増えた。
<ライブ>
- 学園祭でのライブを経て、全国ツアーをするようになる。
- DEENの数あるライブシリーズの原点ともいえる「LIVE JOY」の始まり。
- また、前述の通り、’99年にはLIVE JOY Specialにて、横浜アリーナ公演を成功させた。
- 2022年3月現在、横アリがDEEN単独ライブで最大規模の会場である。
<メンバー>
- ほぼ変動なし。
- ’99年のカウントダウン公演を最後にDr. の宇津本さんが脱退した。
- これ以降、Dr. に正式メンバーは加入せず、サポートメンバーが務めている。
転換期(’00年~’07年)
池森さんの歌い方が大きく変わる(高音が出ない(ライブでは原曲キーより下げて歌うようになった)、裏声を多用するようになるなど)。
楽曲もそれまでのポップな雰囲気から、「AOR」という大人な落ち着きのある楽曲へと大きく舵を切った。
それまでのキラキラした爽やかさから、渋さやセクシーさが光る大人な路線へと変更し、ファンにも影響を与えた転換期。
<主なリリース>
- 「Blue eyes」(6th バラードベストアルバム「Ballads in Blue ~The greatest hits of DEEN~」収録。)
- これまでにないファルセット満載のこの曲は、今後のDEENの方向性を示した楽曲とも池森さんは言っている。(という記事を見たことがあったが。。。)
- 27th Sg「ユートピアは見えてるのに」
- オリコン10位。AOR時代のシングルの一つ。
- 「Smile blue」(~DEEN Classics Four “BLUE”~)
- 四季をイメージした一連の作品「Classics」シリーズ最後の作品。1回目の47都道府県ツアーのテーマソングでもある。
- 29th Sg「STRONG SOUL」
- サッカーJリーグ「東京ヴェルディ1969」創立35周年イメージソング
- 33rd Sg「ダイヤモンド」
- プロ野球「千葉ロッテマリーンズ」2006年イメージソング
<楽曲の特徴>
- AOR(Adlut-Oriented Rock)が中心。
- 他アーティストとのデュエットや演奏によるコラボをもし始めた時期でもある(和音(見上げてごらん夜の星を)、ゴスペル(愛の鐘が世界に響きますように…)など多数。)
- 33rd Sg「ダイヤモンド」はラテン調の曲となっており、AORだけでなく、様々なジャンルの曲に挑戦している。
<ライブ>
- LIVE JOYが中心(アルバムを引っさげたツアー)
- それだけでなく、様々なライブを開催している。
- 会場の場所:野外ライブや海外公演(韓国:ソウル)
- ライブの種類:電力を使わない「Unplugged」ライブ、デビュー15周年に向けて47都道府県を巡るツアーなど
<メンバー>
変動なし。
<他>
- 短編映画に出演。(「君のままで」)
- プロ野球の始球式も務めた。(千葉ロッテVS北海道日本ハム@千葉ロッテマリーンスタジアム)
- 2000年代初頭は各メンバーがソロ活動をしていた。
- DEENとしての活動は休止せず、2つを並行して活動していた。
安定期(’08年~’18年)
’08年にデビュー15周年を記念した武道館公演を開催。
これを皮切りに、47ツアーのある年以外は毎年開催した。
1年の流れがほぼ固定していた安定期。
(カウントダウンライブ→シングルを先行リリース→アルバムをリリース→そのアルバムを引っ提げたライブツアー実施→武道館公演→カウントダウンライブ…)
<主なリリース>
- 34th Sg「永遠の明日」
- ニンテンドーDSゲームソフト「テイルズ オブ ハーツ」主題歌。
- DEEN久しぶりのオリコントップ10入り(4位)
- 35th Sg「Celebrate」
- MVで女優の石原さとみさんが出演。
- 36th Sg「Negai」
- MVに女優の水野真紀さんが出演。
- ボサノヴァ系音楽ユニット「paris match」よりミズノマリさんがツインボーカルとして参加している。
- 39th Sg「心から君が好き~マリアージュ~」
- 漫画家の樹林伸さんが作詞
- 45th Sg「遊びに行こう!」
- お笑い芸人「キャイ~ン」とコラボした限定?ユニット「KYADEEN」による楽曲。
<楽曲の特徴>
- 様々なジャンルに挑戦している。
- SKA、EDM、メンバー三人で奏でるTriangle Style、ロック、80年代歌謡曲、など毎年異なるジャンルの曲を発表していた。
- 著名人とコラボや楽曲提供される機会が多かった。
<ライブ>
- 前述の通り、カウントダウンライブからのLIVE JOY→武道館というのが1年の基本的な流れ。
- 47都道府県ツアーは20周年と25周年の前年に開催(ここまでで47都道府県を計3周)
- それに加えて、数年に一度のタイミングで、夏に行われる「Summer Resort Live」とビルボートライブで行われる「AOR NIGHT CRUISIN’」が交互に開催されていた。
<メンバー>
- この期間も変動なし。
- ただし、’18年に開催された25周年記念の武道館公演でGt. の田川さんが脱退した。
<他>
- テレビ出演もそこそこあった。
- 音楽番組だけでなく、バラエティー番組にも出演。
- また、この頃から池森さんが音楽プロデューサーとして新人アーティストを発掘する機会も増えていく。
新生DEEN期(’18年~)
デビュー以来?の2人体制となった。
しかし、楽曲リリースやライブが減ることはなく、これまでと変わらないペースで活動は続いていく。
(むしろ年に3枚もアルバムリリースするなど、加速しているようにも見える。)
また、25周年記念の武道館公演以降、池森さんの歌声が90年代の頃を彷彿させるようなレベルまで復活しており、ライブでは基本的に原曲と同じキーで披露されている。
これまでの活動に加えて新たな試みも増えている新生DEEN期。
<主なリリース>
- 47th Sg「ミライからの光」
- スマホゲーム「テイルズ オブ ザ レイズ」主題歌。(テイルズシリーズの主題歌はアーティスト最多の3度目)
- 19th Al「Twilight in City」
- 80年代に流行った都会的な楽曲(シティポップ)をテーマにしたアルバム。
- アルバムでは16年ぶりとなるオリコントップ10入り(6位)
- Digital Sg「そばにいるだけで」
- 配信シングル。池森そばのテーマソング(?)(思いがけず池森さんの好物である蕎麦を売り出す時期とリリースが重なったこととタイトルから)
<楽曲の特徴>
- 作曲はほぼすべて山根さんが担当している。
- 編曲はサポートミュージシャンの侑音さんが担当することが多い。
- 山根さんは編曲しなくなった。
- ジャンルはこだわらないスタイルを継続している。
- 18th Al「NEW JOURNY」では世界各国をイメージした楽曲を制作。
- ’21年は前述のシティポップをテーマにしたアルバムをリリースした。
<ライブ>
- 新体制となってもこれまでやってきたライブは変わらず実施。(LIVE JOY、サマリゾ、AORなど)
- 新たな試みとして「NEW JOURNY」と題した、各地域を巡るツアーが開催された。(第1弾として東北ツアー)
- 二人体制になってから武道館公演は行っていない。
- 30周年を目前に4周目となる47都道府県ツアーの実施が発表された。
<メンバー>
- 池森さんと山根さんの2人となった。
- サポートミュージシャンは田川さん脱退を機に変更があり、Gt. は侑音さんで固定だが、Ba. やDr. は何人か変動がある。
- 長年サポートしてきたBa. 宮野和也さんやDr. のHIDEさんもDEENのサポートから外れた。
<他>
- 池森さんがそば好きを公表してから蕎麦が盛り上がっている。
- 本の出版(全国各地のおすすめ蕎麦屋さんを紹介。)
- テレビ出演(TBS系列「マツコの知らない世界」に3度出演)
- 自身のブランドの乾麺を発売
- そば畑を開拓。(長野県)
- 蕎麦を発信するYoutuberとしても活躍。(毎週数本更新されている。)
- 山根さんはクイズ番組にソロで出演している。(BSフジ「クイズ!脳ベルShow」)
- 一度だけではなく、何度か出演しており、優勝もしている。
DEENといえば…
「DEEN」といえば何を思い浮かべるでしょうか?
- デビュー曲である「このまま君だけを奪い去りたい」
- 2枚目のミリオンシングルである「瞳そらさないで」
- アニメタイアップの「ひとりじゃない」「君がいない夏」
- ゲーム主題歌の「夢であるように」
などなど…
ヒット曲やタイアップ曲を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
それらは’90年代にリリースされたものがほとんどであり、今の”令和”の時代には「懐かしい曲」と言われてしまいますね。
しかし、「DEEN」は現在進行形で成長を続けています。
AORや和音、SKA、シティポップなど数多くの音楽ジャンルに挑み、それらすべてをDEENの楽曲に仕上げてファンの期待に応えることはただただすごいとしか言いようがありません。
「DEEN」は注目を集めたヒット曲だけではありません。隠れた名曲たちがたくさんあります。
こうした常に新しいことに挑戦し続ける姿こそ「DEEN」ではないかと思っています。
そんな歩みを止めない、むしろ加速している「DEEN」をこれからも応援し続けたいと思っています。
このページでは「DEEN」に関するメンバーや関わりのある人を紹介していきます。
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